あると助かる便利グッズ
- kosaka28tomoko
- 2024年5月13日
- 読了時間: 5分
こどもたちの行動を分析するには、さまざまな学問的背景があります。その中に、人の行動を、外界から受ける刺激とその反応、感覚器官で受けたさまざな刺激をどう処理していくかの認知過程など、感覚や刺激といった観点から考えていくものもあります。
この視点は、日々の療育支援でとても大きなヒントになるものです。
たとえば、「高いところからいつも飛び降りて危ない」という問題行動も、「びょんっと飛び落ちる感覚、足の裏にドンっと入る強い感覚が好きなのかもしれない」と感覚の面でとらえなおすことができます。そうすると、もちろん「飛んで良い場所と良くない場所を伝える」というルールの面、社会性の面からのアプローチも続けながら、求めている感覚を満たせるほかの遊びは何かないか、という工夫をすることもできます。
感覚や認知のことは、本当にその人固有で千差万別、その子らしさを知っていくしかないのですが、それでも概ねみんな好き、ハマる子多いなぁというおもちゃも経験上あります。
たとえば、数年前にとても流行ったハンドスピナー。くるくる回るのを見るのも楽しい、手に遠心力で回る感覚が入ってきて心地よい、光るハンドスピナーだったりするとキラキラの光刺激で見て楽しめる。とても万能だなぁと思います。
ほかにも、オイルタイマー。これは100均にもある、ひっくり返すときれいな色の液体がポタポタたれてくるものですが、これもずいぶん集中して見る子が多いなと感じます。
ポップチューブ(蛇腹状になっていて、引っ張るとビヨビヨビヨ!と伸びます)、プッシュポップ、このあたりも手に心地よい感覚が入ってくるのを好む子が多いです。
また、振動、バイブレーションの刺激も好きな子が多いイメージがあり、押すとブーンと揺れるハンドマッサージ機や、ダイエット器具のブルブルマシーンなども人気です。
スクィーズや、スライム、のびーる粘土なども好んで没頭する子もいますが、苦手な感触があったり、汚れるのが気になる子は、独特の材質にすごく嫌がる子もいます。
当所の保育士の先生が作った、ペットボトルにらせん状の針金を通し、そこに透明なリングがたくさんシャラシャラシャラ・・と落ちていくおもちゃも人気でした。
これらのおもちゃは、例えば刺激を求めて動き回る、落ちつがなくなっている場合や、嫌な刺激(音、ざわざわした人の多い感じなど)があって落ち着かないときなどに、ほかに何か心地よい強めな刺激を入れて、落ち着けるように手渡したりします。嫌な音の場合はイヤーマフを使う子も多いですが、イヤーマフは嫌な刺激を遮断する回避の方なので、心地良い、その子が求めている刺激を遊びの中で積極的に入れてあげようという考えです。
遊びの中でもそうですが、着席を求められる場面でも、もともと多動傾向があり、常に何か強い刺激が入っていないと落ち着かない子、ほかの嫌な感覚刺激にさらされていてとてもではないけど落ち着いてじっとはしていられない子、さまざまな困り感がある子たちがいます。よく、バランスボールで飛びながらだと机に居続けられる子のエピソードはあるかと思います。ただ、食事中、お勉強中など、跳ねながらだと作業が難しい場合もあります。そういう場合、子どもたちは無意識にでも、立ち歩いてみたり、隣に座る先生の膝に足を乗せてみたり、立膝をしたり、片足だけ正座にしてみたり、自分で自分に刺激を入れながら、なんとか座る努力をしているなぁと感じます。
この間、椅子の足にのびるゴムをつけてみました。
椅子をグラグラ倒れそうなくらい傾けて動いていないと座っていられなかった子に、このゴムびよんびよん蹴っていていいよ、と伝えると、先生の話の間ずっと足でゴムを伸ばし続けていました。その子からしたら、椅子をグラグラさせるのも、ゴムをびよんびよんさせるのも、どちらも行動の動機は変わらないと思うのですが、ゴムを足でいじっていてもらうと、後ろから見ていて、結果としてその子は静かに椅子に座り続けているように見えます。
また、素晴らしいなと思ったのが、そのやりとりを見ていた別の子が「先生それオレにもちょうだい、オレもあったほうがいい」と伝えてくれました。さっそくその子の椅子にもゴムをつけると、やはりその子も先生のお話の間中、足でゴムを伸ばしていました。その子は、普段着席自体はしていますが、先生のお話の間中、思いついたことをずっと話している様子が目立っていたのですが、自分で自分に刺激を入れ続けて座る努力、の一環としてお話し続けていたんだなと改めて感じる一幕でした。自分で、自分にこれがあったほうが落ち着く、と感じて先生に伝えられること、素晴らしいですよね。
もちろん、この二つのエピソードは、関わりとしては「椅子はグラグラさせるとケガをして危ないかもしれないよ」「先生がお話し終わるまでは発言をしないよ」ということを伝えて理解してもらうことも社会性としては大切なことです。ただ、それと並行して、その子が少しでも過ごしやすくなるちょっとの便利グッズはあると良いなと感じています。
この話を事業所内でしていて、さまざまな便利グッズを職員で触っていました。針金を巻いて作られた指輪のようなグッズがあり、指にはめて上下に動かすと、ごりごり心地よい刺激が指に入るものでした。子どもたちにはどうかなぁ、と思ったのですが、触っていて職員みんな「これ大人が会議中とかにあると良いよね」「暇だけど話聞いています風な顔をして静かに座ってるとき、寝落ちしないようにゴリゴリやりたい」と盛り上がりました。
大人も子どもも、便利なものにはたくさん頼って、うまく毎日やり過ごせると良いですね。